![]() 現代音楽 9月号 |
![]() |
|
鷲見加寿子退任記念演奏会 ~教え子たちと共に~ 東京音楽大学教授として長年にわたり生徒を育て、優秀な人材を輩出してきたピアニストの鷲見加寿子が同大の正教授を退任したが、感謝の気持ちから教え子たちが中心となって退任記念演奏会を開催した。 出演したのは、同大の現役学生や卒業生たちの他、子どもの頃に教えたピアニストの小菅優や、鷲見の父親であるヴァイオリニスト鷲見四郎に幼少の頃に習っていて、小菅同様家族ぐるみの付き合いというヴァイオリニストの佐藤俊介、東京音大付属高校に留学以来親しく付き合ってきたというチェロの趙静、同高校時代から鷲見・も応援してきたというバリトン歌手の寺田功治ら、国際的に活躍している演奏家も参加した。 全体は4部構成でで第1部、第2部の12人のソロと1組のデュオ、第3部の3人のソロまでが門下生のピアノで、その後、寺田功治が石井理恵の伴奏で「マイ・ウェイ」を熱唱、続いて趙静がサン=サーンス「白鳥」とラフマニノフの「ヴォカリーズ」を演奏。 プログラムには趙静の共演者が記されていなかったが、登場したのは鷲見加寿子というサプライズもあった。 第3部の最後は、小菅優がモーツアルトのソナタ第10番K330を演奏。 第4部は、佐藤俊介、中川直子、生野正樹、門脇大樹の弦楽四重奏に鷲見のピアノで、シューマンのピアノ五重奏曲が演奏され、惜しみない拍手が長いこと送られた。 鷲見の人柄や教育者としてのこれまでのあり方を窺わせる演貴会であった。(7月6日、紀尾井ホール)
|